風防制作 成功篇

さて、仕切り直しです
一回り小さな型を作ることからやり直します

検討の末、パーツの裏側の型を取ってみることにしました
前回使った『おゆまる』の雌型にパーツを嵌めます


これを反転させて雄型を作りたいんですが、前回と同じようにポリパテを流すとパーツがくっついてしまいます
そこで、雄型の材料には紙粘土を使います
紙粘土を上から押し付けて乾燥させます


そこそこ乾燥したら雌型から外して表側を乾燥
思ったより形が出ています


これを修正して雄型にします

ここでふと気づいて、パーツの裏側ではなくもう一度そのままのものを、今度はポリパテではなく紙粘土で複製してみました

もちろんそれをそのまま使ったのでは前回と同じですので、乾燥後に取り付け部と合わせながら少し小さくなるように削ります
紙粘土になったのでポリパテより格段に削りやすく、加工が簡単です
両方で風防を作ってみてよりピッタリくるものを使う作戦でいきます

紙粘土のままでは表面をキレイにするのも限界があります
サフを吹いて表面を固め、表面を滑らかにします
最初に吹いた状態では繊維がそのまま出ています


サフ吹いてペーパー掛け・・・を2回繰り返したらキレイな表面になりました
バキュームフォームの型には紙粘土がけっこう使えそうです


高さを稼ぐために5mmプラ角棒でゲタを履かせて
間を紙粘土で埋めます
これで雄型が完成です



そしてバキュームフォーム
前回の失敗からいろいろ教訓を得たので、今回は失敗は少なかったです


2種類を検討した結果、パーツの外側を型取ってから手作業で小さく削った方がよりフィットするようです


不要部分を削って概ね完成
これなら使えそうですよ
成功です

風防制作 失敗篇3

以前ヒートプレスの時に使用したベニヤ板の枠がありました
これでプラ板を挟んで固定します


そして熱源
以前友人がくれた電熱器です
プラ板をあたためるにはこれが最適


晴れて道具が揃いました
いざバキュームフォーミング!
材料はエンビ板よりも透明度が高いと聞いたのでPET樹脂の板を買ってきました
電熱器であたためた材料がとろんと柔らかくなったら掃除機のスイッチを入れ、すかさず被せます
材料が原型とメッシュに貼り付き、掃除機が負荷のかかった大きな音を出します

一発で成功したわけではありませんよ
かなりの数を失敗し、ちょっとずつ改良しながらまともな部品を作れるようにしていきました

比較的良作と、後ろは失敗作の山(;^_^
透明樹脂はあたためすぎると白化しちゃうんですね
白化した時は開き直って何度かあたため直して練習に使いました


以上で部品は出来ました
ではなぜ失敗なのか?

それはこの通り
デカ過ぎるんですよね・・・

原型の上に被せて成型するわけですから必ず少し大きくなるわけですが、0.3mmの薄い材料でバキュームフォームしたので誤差の範疇くらいになるかと都合良く思ってたんですがそうでもなかったです

じゃどうするのか?
以下次回

・・・成功篇になるのか?

風防制作 失敗篇2

バキュームフォームというのは原型の上に熱であたため柔らかくしたプラ板などを被せ、間に存在する空気を掃除機で吸ってプラ板を原型に密着させて複製するという技法です
まずはペン立ての箱に掃除機を接続できるように工作します

掃除機に材料のブラシを繋いで高さのアタリをとります
我家はスティックタイプの掃除機なので、床に寝かせて作業をするつもりです
ホースを接続するタイプの掃除機の場合はあまり高さは関係ないでしょう



ケガキに合わせて穴を空けますがモーターツールを使ったらものすごくやかましかったので、近所迷惑を考えてヒートペンで溶かして大まかな穴空けをしました



穴を空けたら掃除機ブラシを必要な部分だけカットします
このブラシ、普通に便利そうなので今度もう一個買ってこうかと思ってます


差し込んで接着
強力接着剤スーパーXを使用しました

サイト見たら即乾タイプとか色々出てますね
ウチにあったのは硬化までけっこう時間かかりました 硬化してしまえばガッチリですが



で、箱の上面をメッシュにすべく落としぶたをカットして貼り付けたかったのですがここで問題発生
切れません


穴がもうちょっとたくさんあればカッターで筋を入れて曲げればペキンと折れそうですがこれはちょっと無理
この材料を使うのに新たな工具を買い足さなければいけなくなりそうなのでここは方針転換して別の材料を使うことにします
出来れば全部百均材料でいきたかったのですが

で、東急ハンズアイテムです パンチ板
アルミだし、これなら切れるでしょう


思った通りカッターと折り曲げで切れました
ちょっと薄いので2枚重ねて使います
置いといても多分使い道ないし


瞬着で箱の上に接着
これでバキュームフォーマー完成です

風防制作 失敗篇1

ここしばらく何をやっていたかと言うと、ドライバー前方の風防を作り直そうと色々やっていました
この透明パーツです


透明プラで成型されたパーツはどうしても厚みが出てしまい、できれば薄くしたいところ
薄いパーツをスクラッチするといえばヒートプレスやバキュームフォーム
いつかやってみたいと思っていたバキュームフォームを今回やってみることにしました

ただ、最初に言ってしまうと、今回失敗してます
初めて取り組む技法なので、パーツが出来上がってから披露しようと思って今まで貯めてたんですが、原型の型取りやバキュームフォーマーの製作など時間がかかってしまったため、とりあえず失敗編を公開します
あとのことはまた考えるとします
少々失敗作におつきあいください

さて、まずはバキュームフォームの元となる原型を型取りします
使用するのは常温時はゴム状でお湯の温度で柔らかくなるプラスチック粘土『おゆまる』
百円ショップや手芸店で売ってます


適当な量のおゆまるを容器に入れお湯を注ぎます
さわれる程度の温度で充分柔らかくなります


パーツが変形してしまわないよう紙粘土で簡単に補強しています


上からベタリと押しつけ


冷えたらすぐ型は完成です
しっかり転写されています


この型の中にポリパテを流し込みます
永らくポリパテ使ってなかったので家に見あたりませんでした
新しいのを買ってきましたが、小さいサイズは割高ですね
以前は何にでもポリパテ盛って作ってましたが、ここ数年はプラ板工作が主体です


ポリパテの硬化を待って型から外します
表面に気泡がありますが、どうしても噛むのでまあまあいい仕上がりでしょう
不要部分を取り除いて表面をキレイにします


サフを吹き気泡を埋めて、を2回ほど繰り返し表面処理が出来ました
関係ない部分には気泡があっても構わないでしょう
下にプラ板を貼ってかさ上げしておきます


バキュームフォームのための原型が出来たので今度はバキュームフォーマーを作ります
売っているものもあるはずですが、昔から自分で作れるとよく聞くので今回は作ってみましょう
材料は百円ショップで揃えます
こんなヤツらです


掃除機に取り付けるブラシ、プラスチックのペン立て、鍋の落としぶた
これらをどう使うのかはまた次回

タイヤ研ぎ

さて、タイヤはタミヤ製を流用することを決めたわけですが、どちらのメーカーもそのままでは少々仕上がりを損なう部分があります
それはタイヤの中央に入ったパーティングライン
製品の成型上避けられないところですが、これはこのままには出来ない重要な修正箇所です

普通のプラパーツならイチイチこんなこと言わずに消していくわけですが、今回は部品がゴム製
普通に紙ヤスリを掛けただけでは解決できません
いや、結局ヤスリで表面を削り取るしか方法は無いんですが、単純にヤスリを当てるだけでは円が変形してしまったり、摩擦熱で変質してしまう恐れがあります

そこで定番的なやり方として、モーターツールに軸を固定して回転させながらヤスリを当てるという作戦があります

ルノーのホイールを使ってタイヤ固定の治具にします
モーターツールのビットを軸として固定し、モーターツールに装着します



紙ヤスリは硬い板に貼り付けて・・・

この上でモーターツールを回転させて削るわけです
摩擦熱に関しては油をかけながら削ることで対策できるということでした(ネット情報)
油は写真のような食用油で問題ないようです
辺りに飛び散ることが予想されるので場所を台所に移動し、新聞紙を敷いて作業します


前/後輪とも片方だけ削りました
割と時間がかかりますがパーティングラインはキレイに消せました
紙ヤスリは120番のあとに320番を当てています



4輪全て仕上がりました

ちなみに飛び散り加減は想像を少々超えていました
この日のために捨てるつもりだった古Tシャツを着て作業しましたが、作業場には
敷いた新聞紙以外のところにも油まじりの黒い粒が点々と飛びました

いいネタなので写真を撮るべきでしたが、それを忘れるくらいにはあせってました (;^_^

同じ作業をされる方には充分お気をつけいただきたいと思います

タイヤ

ゴム製タイヤの工作です
実はこのキット、セットされているタイヤがイマイチだともっぱらの噂です
F1模型初めて買ってきた自分としては比較対象がなくてどうイマイチなのか分からなかったのですが、とりあえず定評のあるタミヤのキットを中古ショップで手に入れたので比較してみます

キットはこれ
ルノー・RE-30B TURBO
126CKが走った翌年にあたる1982年のルノーのマシンで、この年なら同じミシュランタイヤを履いているのが確認できています


タイヤの比較 前輪から
左側がタミヤです
幸いフジミのホイールがそのまま取り付けられるようです

タイヤサイドの MICHELIN の文字の刻印がタミヤにはありますが、フジミにはありません


太さに関してはタミヤの方が細い感じ
フジミはタイヤの中央が窪んでしまっているようです


続いて後輪
こちらもフジミのホイールが取り付けられました

刻印に関しては前輪と同様


太さに関しては今度はタミヤの方が太く、エッジが立っていて迫力があります
フジミのは後輪に関しても中央が窪んでしまっているようです


以上の比較をしてみて、特に中央部の窪みが気になりだしました
また、後輪のプロポーションは明らかにタミヤの方がカッコいいです

今回は少々もったいない気もしますが、タミヤのタイヤを流用することにします
ルノーのキットはいつか供養できればいいのですが・・・ (;^_^

リベット表現

このクルマのモノコックはアルミ板のリベット止めになっています
キットには凸モールドでリベットのモールドが入っているのですが、その再現はごく一部だけになっています
整形時の抜き方向などの都合もあるのでしょう

リベットに関しては全てを再現しようとするとウルサくなってしまうかと思いますので、適当に間引きながらもう少しディテールを増やしたいと思います

モノコック天面のパーツにのみ凸モールドでディテールが入っています
同じ表現を側面にも施したいと思いますが、このサイズで凸モールドを手作りするのは不可能と言っていいでしょう
よって、天面のモールドも0.3mmドリルによる凹モールドに置き換えます


天面を凹モールドにしました
ちょうどヤスリカスが溜まって白く見えるポツポツになっています
小さな凸モールドをナイフで削り取って0.3mmドリルで彫ります
これはちょっと目がつらい (;^_^

側面はキレイにラインが繋がるようプラ板を貼って整形しています


貼り付けたプラ板をそこそこ整形して側面にも凹モールドを追加します


ここからは元のモールドというのがないので自分で間隔を整えなければなりません
フリーハンドではぐちゃぐちゃになるのが目に見えてるのでこんな治具を用意します
プラ板に1.5mm間隔で穴を空けたテンプレート
これを作るのもちょっと目がつらい (;^_^


テンプレートは穴空け時にセンターラインを彫ってありますので、そこから半分に切ってゲージに使います


片面彫り終わり
ゲージを作ってしまえばあとはそんなに苦労を感じません
もうちょっと増やすかと思います